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EMS( Electronics Manufacturing Service )の拡大により、顧客数の拡大、多品種少量生産、見積り、立上げ業務の増加など、業務内容、 業務ボリュームが大きく変化するなか、従来の原価資料に対する不満が高まった。
収益を確保、向上する為には、原価の見える化、JIT化(必要な情報を必要な時に)が不可欠である。 また原価資料は、一部の人のものではなく、全員が理解、納得するものでなければならない。
以上のことから、各部門選出メンバーによるワーキング体制で、原価計算システムの抜本改革を行った。
新システムの構築にあたっては、 D&F Planning社 中垣敕(おさむ)氏考案の「新提案の原価情報作成法」を活用した。
(2005年7月 社内リリース)
2000年、我社はEMS( Electronics Manufacturing Service )企業へ転身し、親会社依存を断ち、
自立する「新生NEC長野」として再スタートした。
EMS企業の特徴として、顧客数が拡大すると共に多品種少量の受注が増える傾向にある。
こうしたなかで利益を確保するには、会社の実態をより緻密に数値化し、問題の所在を明らかにして改善につなげられるしくみ、
すなわち原価計算システム-【図1】が不可欠である。
しかしながら、我社の原価計算システムは、財務会計上の在庫評価計算にとどまり、目標設定、評価など、
マネジメントに役立つレベルとしては、不十分であった。 おおまかな、課題として【図2】があげられていた。
原価費目-【図6】、原価計算単位-【図7】の設定に着目し、現状確認を行った。
現行の間接費の原価費目は、内工費(製造に要する費用)、特別費(技術に要する費用)、 購入副費(購入に要する費用)に分類されているが、発生費用の特性を考慮した配賦計算になっていない。
内工費について言えば、製造部門で発生した費用も、補助部門で発生した費用も、 人にかかわる費用も、設備にかかわる費用も、全て製造現場で計上されるの実績工数で 製品に配分されてしまう。
また、予算編成時に決めた、時間単価(ローディング)で計算する為、実績費用と 製品配分費用の間に、差額が発生するが、発生原因、責任の分析ができない。
原価計算単位の設定では、かつての親会社一体運営のまま放置され、 EMS事業を遂行するうえで新たに発生した主活動を個別把握していない。-【図8】
よって、本当の製造原価がわからない(見積り、立上げなどのイニシャル費用が、 量産の製造原価に均されてしまう)という問題があげられた。量産工程の原価計算単位は、工事先毎の総合オーダーで、当該工事先で生産される 複数の品目の実際原価がまとめて算定される。 (総合オーダー毎に実際原価と仕切原価が比較され、仕切原価差額を計上。 在庫高、並びに次工程への投入高は、仕切原価で行う)-【図9】
実際原価を用いた下位工程からの積上計算になっていない為、最終製品の利益が実態を表さない。 (原価差額が、計算の各段階で、製品別とは異なる単位で算出される)
また、全般として
などの問題が抽出された。
次に、課題解決の為の、具体的手法の調査を行った。 当初は、ABC(活動基準原価計算)の導入を検討したが、ABCはあまりに細かすぎて、運用しきれない。 また、システムのブラックボックス化、硬直化も懸念される。 こうしたなか、D&FPlanning社 中垣敕(おさむ)氏考案の「新提案の原価情報作成法」 (特許公開-2002-297701)を知る機会を得た。
**「新提案の原価情報作成法」の概略 **
【図-12,13,14】
新提案の原価情報作成法(以下新計算法)では、原価計算の最終結果を「費目別原価構成表」と 位置付けている。 これが求められれば、原価の対象とする費用の範囲やその値、配分の対象とする製品を設定することにより、 財務目的、管理目的、事前計算、事後計算など、全ての目的の原価情報が費目別原価構成表から作成できる。
この表は、以下の作業により作成する。
新計算法には、空費製品の概念(標準と実際との差異を原価計算対象とし、費用配分を行う)がある。
現状の配分設計図は、実際原価計算方式となっているが、空費製品を明らかにすることによりムダの数値化が可能になる。
システムの可変性を活かし(配分設計図の変更だけで可能)、より役に立つ原価情報へ改善していく。
また本システムの機能を高度化し、運用ノウハウとともに、「汎用型、可変型原価計算パッケージ」として、販売する。
全ての仕事に原価は発生する。非製造業も含めお客様のマネジメント革新に貢献していきたい。